妊娠中の高血圧、尿タンパク、浮腫(むくみ)で注意すべき点とは?

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妊娠中毒症の妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症候群は、
かつて妊娠中毒症と呼ばれていた、
妊娠中に発病する疾患です。

妊娠してからの尿蛋白や、
浮腫(むくみ)が気になるという方で、
改善法や予防法を知りたいという方のために、
妊娠高血圧症候群いついて
わかりやすくまとめてみました。

妊娠高血圧症候群とは?

妊娠高血圧症候群とは、高血圧を伴う
昔でいうところの妊娠中毒症のことです。

高血圧とは、
収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上
拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上のことです。

以前は、妊娠20週~産後12週の間に
「高血圧」、「尿蛋白」、「浮腫」、
「1週間500グラム以上の体重増加」の妊娠中の異常が、
いずれか1~2つ以上現れることを
「妊娠中毒症」と呼んでいました。

医学の進歩によって、
母親や胎児に直接関係する主たる異常は
「高血圧」だということが判明しました。

つまり、血圧が正常なら、
「尿蛋白」「浮腫」「1週間500グラム以上の体重増加」の
すべてが認められても、母親や胎児の異常は
直ちには認められないという事です。

ですから、高血圧が認められた妊婦は
慎重な健康管理が必要なのです。

その為、日本妊娠高血圧学会が病名「妊娠中毒症」を廃止し、
高血圧が認められた場合の病名を「妊娠高血圧症候群」とし、
急速に普及しました。

つまり、妊娠中毒症の中で、
高血圧が認められた病的状態が
「妊娠高血圧症候群」となるわけです。

現在では、妊娠中毒症の中の症状でも
尿蛋白のみの場合は「妊娠蛋白尿」
浮腫のみの場合は「妊娠浮腫」と呼ばれています。

もし、妊娠終了後も、
高血圧・尿蛋白の症状が残る場合は、
妊娠中に起きた異常ではなく、
元々母親の体に異常(高血圧や腎疾患)が
あったと考えられます。

なぜ、妊娠すると妊娠高血圧症候群になるの?

妊娠高血圧症候群になる原因は、
今のところわかっていません。

ですから、予防方法もわかっていないのです。

最近の研究によると、
妊娠15週目までに胎盤の血管が
正常とはちがう作られ方をすることが、
病気の引き金になっているのではないかと
考えられています。

妊娠すると、胎盤は子宮にくっついて、
その壁の中に細胞が侵入していきます。

その時に、子宮側の壁を壊して、
血液が多く赤ちゃんに流れるよう
血管の壁を作り直すのです。

この血管の作り直しが不十分であった場合、
母親の胎盤から赤ちゃんへの酸素や栄養素を
うまく流すことができなくなります。

その結果、無理に多くの酸素や栄養素を
多く流そうとして高血圧になる「妊娠高血圧症候群」に
なるのではないかというのが、
今のところ最も有力な原因と考えられています。

どんな人が「妊娠高血圧症候群」になりやすいの?

肥満や、高齢である事も「妊娠高血圧症候群」を
引き起こしやすいと考えられていますが、
まだ研究結果がでていません。

しかし、母体の年齢が35歳以上の場合は発症率が高く、
40歳以上ではさらに危険度がさらに増します。

また、太り過ぎの人は35歳以下でも
発症率は高いといわれています。

妊娠高血圧症候群になりやすい条件とは?

  • 初産婦

初めてお産を経験する妊婦の場合

  • 肥満

BMI25以上、非妊娠時の体重が55㎏以上の場合

  • 妊娠0~3ヶ月(0~15週目)の血圧

非妊娠時から妊娠初期の血圧が
130~139mmHg(収縮期血圧)
80~89mmHg(拡張期血圧)の場合

  • その他、病歴など

高血圧、腎疾患、糖尿病など病気がある場合。

前回の妊娠で妊娠高血圧症候群になった場合。

前回の妊娠から5年以上期間が経過している場合。

多胎妊娠の場合。

尿、歯周病の感染症がある場合。

このような場合に
妊娠高血圧症候群になると報告されています。

妊娠高血圧症候群の症状とは?

この病気の恐ろしいところなのですが、
重症になっていても自覚症状がほとんどありません。

産婦人科の医師に、
妊娠高血圧症候群ですよ!と言われてから、
そういえば頭痛や眠気、けん怠感などがあったと、
気づくほどです。

つわりの症状と勘違いしている人も
少なくありません。

妊娠高血圧症候群の症状は他にも、
脱水、肝臓の働きの低下、尿量が減少、
急にむくみの症状が出る、子宮が収縮する感じ

といった症状が出ることもあります。

妊娠高血圧症候群のリスクとは?

妊娠高血圧症になると、
さらに母親と胎児の状態を悪くする病気を
引き起してしまう可能性が高まります。

その代表的なものは、
脳血管障害(子癇、脳出血など)、
肺水腫、
常位胎盤早期剥離、
HELLP症候群などがあります。

  • 子癇(しかん)

妊娠中・分娩中・分娩後の
どの時期にも起こり得る痙攣発作です。

急激に高血圧になり脳中の血液が増え、
脳がむくみ痙攣を起こすと言われています。

子癇が治まらない場合、
脳むくみ→脳ヘルニアの状態になり、
母子ともに命が危険な状態です。

  • 肺水腫(はいすいしゅ)

高血圧により、
心臓が血液を送り出す際にかかる抵抗が増大します。

そのため心臓の負担が大きくなり血管透過性が高まる事や、
蛋白尿による血しょう浸透圧が下がる事により、
肺水腫になることがあります。

  • 常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

赤ちゃんが産まれる前に、
子宮についている胎盤がはがれる病気です。

なぜ起こるのかは分かっておらず、
発症を予知することも不可能なのです。

妊娠高血圧症の妊婦に多いといわれていますが、
そうでない妊婦にも起こる事があります。

症状は、性器出血、腹痛、
胎児の動きが減る、子宮が硬くなる、です。

妊婦の、05~1.3%に発症し、
妊婦の死亡率5~10%、
胎児の死亡率30~50%といわれています。

  • HELLP症候群(へるぷしょうこうぐん)

血液中の赤血球が壊されて、
肝臓の機能が低下し、血小板が減少する病気です。

症状は、お臍より上の部分、みぞおちが突然痛み、
吐き気や嘔吐などが起こります。

できるだけ早くお腹の外に赤ちゃんを出すことが
基本治療となります。

妊娠高血圧症の治療方法とは?

重症度、病気が発症した時の、
妊娠週数および胎児の発育不全の有無などで、
治療の内容が異なります。

軽症の場合は、薬での治療、
通院しながら食事制限(カロリー・塩分)の治療となります。

重症の場合は、入院して薬で血圧を下げ、
子癇を抑える点滴による治療を行います。

妊娠週数が早い場合は、胎児の成長を待ちますが、
母親の状態により帝王切開で赤ちゃんを取り出し、
母親の治療、赤ちゃんの治療を行うケースもあります。

高血圧でなくても気を付けるべき症状とは?

妊娠蛋白尿の改善方法とは?

妊娠中に尿蛋白がある場合は、
以下の①~④のいずれかに該当します。

  • 妊娠20週目以降に初めて尿蛋白がでた

①高血圧ではない-妊娠蛋白尿
②高血圧である-妊娠高血圧腎症

  • 非妊娠時、妊娠20週目以前から蛋白尿がでた

③高血圧ではない-腎疾患合併妊娠
④高血圧がある-加重型妊娠高血圧腎症

妊娠蛋白尿は、
通常分娩後12週目までに消えます。

妊娠蛋白尿になったときは、
高血圧になっていないか
経過を慎重に見る必要があります。

症状が蛋白尿のみの、妊娠蛋白尿であれば、
母親と胎児に影響はありません。

蛋白尿を治療する治療方法はありません。

妊娠浮腫の改善方法とは?

妊娠中の浮腫はなぜ起こるのかというと、
浮腫は妊婦の6~7割に見られる症状で、
異常なことではなく生理現象であると言われています。

妊娠中はホルモン環境が変化して、
血管や腎臓に働きかけ1000~1500ccの水分を
体内に貯めておきます。

この結果、血液中の水分も増加し、
胎児に十分な血液が流れてくれるのです。

その増えた水分が、
血管の壁からしみ出て皮下組織にたまり
「浮腫」となるのです。

妊娠中の浮腫は母親と胎児に影響はあるのでしょうか?

妊婦のむくみについて、
このような調査結果があります。

  • 浮腫のある妊婦は、低体重児を出産する確率が低い。
  • 浮腫のある妊婦は、ない妊婦に比べ妊娠前後の死亡が少ない。
  • 子癇を発症した妊婦の半数は浮腫がない。
  • 浮腫のある妊婦に体重制限をしてもしなくても、
    妊娠高血圧症候群の発症率に差が無い。

以上のことから、
浮腫の症状のみでは何も悪い影響はなく、
妊娠浮腫は病気ではないと考えられるようになりました。

浮腫は病気ではないし、
悪影響を及ぼすこともない、
でも改善したい!

むくみ解消のために
すぐに実践できる5つの方法をご紹介します。

  1. 寝る時(夜、昼)は足を高くして寝る
    足に溜まった血液のめぐりをよくするために、
    クッションなどで足を高くして寝ましょう。
     
  2. 足湯で体を温める
    冷えはむくみの原因です。
    足湯をすることにより血液のめくりが良くなり、
    むくみ解消になります。
     
  3. 市販の靴下を着用
    むくみ解消や予防といった靴下を使用するのも
    むくみ改善の1つです。
     
  4. マタニティビクス
    妊娠中に安心して楽しめるフィットネスです。
    肩こり、便秘、腰痛などにも効果が期待できます。
     
  5. リンパマッサージ
    足の付け根やひざ裏やひざ周りを
    親指でグリグリと押します。
    リンパが流れてふくらはぎが柔らかくなります。

妊娠高血圧症候群はどんな症状があると入院になるの?

妊娠高血圧症候群と診断されたとき、
どのような状態になったら入院になるのでしょうか。

  • 妊娠高血圧症候群が重症と診断された場合
    ①160mmHg以上(収縮期血圧)
    ②110mmHg以上(拡張期血圧)
    ③高度の尿蛋白
    ①~③の1つ以上が当てはまる場合
     
  • 軽度の妊娠高血圧症候群であっても、家での安静、食事療法ができない場合

妊娠高血圧症候群の治療費用とは?

妊娠高血圧症候群で入院となった場合に、
費用はどのくらいかかるのでしょうか?

妊娠高血圧症候群で入院しているのに、
費用の心配をして血圧が上がっては困りますよね。

安心してください、
妊娠高血圧症候群等の療養の援護制度があります。

所得制限および申請期限が設けられていますので、
覚えておきましょう。

埼玉県の場合(さいたま市・川越市は除く)

窓口

居住地域を管轄している保健所

対象者

  • 「妊娠高血圧症候群」「糖尿病」「貧血」「産科出血」「心疾患」を発病している妊産婦
  • 埼玉県内に住所がある
  • 母体または胎児の保護のために医療機関に入院し、必要な治療をうけた
  • 7日以上の入院
  • 前年度の所得課税額が30.000円(年額)以下の世帯の妊産婦

手続き(申請書類などが必要です)
妊娠中毒症等療養援護費支給申請書・妊娠中毒症等療養証明書・
世帯調書・振込口座名記入書・所得税等の証明書・母子健康手帳
(注意)退院後30日以内に申請が必要となります。

入院期間が21日以上になる場合は、
入院してから22日目以後30日目以内に申請が必要となります。


【まとめ】

高血圧、尿蛋白、浮腫のなかで
特に注意しなければならない症状は高血圧です。

妊娠し、高血圧になったとしても
自覚症状が乏しい事がこの病気の怖いところです。

妊娠高血圧症候群の早期発見の為に、
妊婦定期健診を受けることがとても重要だといえます。

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